股関節脱臼 … 股関節がはずれた!

「ベッドに飛び乗ろうとした時や遊んでいる時にキャンと鳴いて、そこからずっと後ろ足をあげている。」

こんな場合には、股関節が脱臼しているかもしれません。

今回ご紹介するトイ・プードルさん(11歳)もそんな症状で来院されました。

そっとレントゲンを撮ると…

赤い矢印部分(大腿骨頭)が反対と比べて上に飛び出ているのがわかりますか?

正面から見た画

横から見た画

これが股関節脱臼です。こうなると、動くたびに骨と骨が当たりとても痛い!

股関節脱臼は、股関節をつなげている太い靭帯が切れて起こります。 脱臼の原因は、先天性または外傷性。
先天性 : もともと股関節がゆるく、ちょっと力が加わっただけで外れる
外傷性 : 交通事故や落下など、大きな力がかかることで外れる 治療は、保存的治療または整復手術。
保存的治療 : 手術はせず、整復して包帯を巻く
整復手術 : 整復手術を行う もちろん手術をしないで治るのが一番。 しかし、保存的治療での再発率は高く、包帯による裂傷などの合併症の危険もあります。 したがって、残念ながら外科手術をオススメする場合が多いです。

手術の選択肢は3つ。 ①人工靭帯を用いた靭帯再建術(トグルピン法)

今回はこの手術を行いました。

術後のレントゲンでは、脱臼していた骨頭がしっかり整復されていることが確認できます。

この方法の利点は、関節の構造を残して手術ができるため、術後の回復が早いことです。 この子は手術翌日から足を使ってくれました。 関節周囲の軟らかい組織が修復されるまで、1ヶ月半程度は安静にして過ごしていただきます。 他にも以下のような手術方法があります。

②大腿骨頭切除術(FHO)

当たっている骨頭を切り取り、痛みを緩和する手術です。

③股関節全置換術(THR)

人工の関節を埋め込む手術です。

①~③それぞれの方法に長所、短所があるため、
どの方法が適しているのか、本人の状態を診た上で、ご家族にとって最良の方法をご相談させていただきます。

特に柴犬トイプードルポメラニアンなどの子達は、無症状であっても股関節がゆるい場合も多く、ある日突然脱臼することがありますのでご注意下さい。

ちょっとしたきっかけで外れてしまわないよう、日頃から段差がなく、滑りにくい環境での生活を心がけましょう。

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