膝蓋骨脱臼(しつがいこつだっきゅう)の手術について🦴

こんにちは🤗 なかもず動物病院です。

ちょっと涼しくなったと思ったら、また夏のような暑さが戻ってきましたね〜☀️

皆さま体調くずされないよう気をつけてください。

人や動物たちにはしんどい暑さですが、病院で育てているオクラたちはこの数日のおひさまパワーで また一回り大きくなりました🥒

スタッフのご家族からいただいてお世話しています☘

早く食べたくて実のことばかり考えていましたが…

オクラってこんなきれいな花が咲くの知ってましたか🌻?

私は初めて知りました!なかなかかわいいものですね😸

さて本日は、先日のブログに書いた「膝蓋骨脱臼」の手術方法についてお話ししたいと思います。

(※まず、この病気がどういうものか知りたい方は9月5日のブログをご参考にして下さい。➡️https://nakamozu-ah.com/2019/09/05/)

⚠️注意⚠️

これ以降、実際の手術写真も出てきますので、骨や血が苦手な方は見ない方が良いかもしれません😥ご容赦ください。

膝蓋骨(=お皿の骨)が はずれる原因は大きく分けて2つ✌️

①膝蓋骨のおさまる溝が浅い

膝蓋骨の位置が内側にズレている

したがって、これらの矯正が必要です。

まず、

①溝が浅いことを解決するために、「滑車溝造溝術」を行います。

これが溝を正面から見た写真です。

このままでは溝が浅くて膝蓋骨が左右に滑り落ちてしまいます😩

当院では、「ブロックリセッション」という手法で溝を深くしています 。

軟骨は柔らかいので優しくメス・ノミを入れて、ブロック状に骨を抜き取ります🔨

この方法では、表面の軟骨を温存できるため、術後の違和感や痛みが少ないのが特徴です😄

こうして溝を深くした部分を正面から見ると下のようになります。

緑丸が膝蓋骨の位置、青線が溝の深さを示しています☝️

BEFOREの写真では、溝が平らだったのが、

AFTERでは、膝蓋骨が収まるのに十分な 溝ができています。

次に、②の問題解決のため

「脛骨粗面転移術」を行います。

靭帯の付着部を骨ごと切って移動し、整形外科用のピンにより固定します。

もとの位置が青線、

手術後、矯正された靭帯が 緑線で示した部分です。

まっすぐになったのがわかりますか?

あとは筋肉や関節をきれいに縫ったら終わりです🐶

グレード3までは概ねこの方法で対応可能です☝️

術後のレントゲンは下のようになります📷

丸い膝蓋骨がきれいに 溝の真ん中へ位置しています。

⚠️ただし、一番ひどい グレード4 になると骨の変形がひどく、

変形を治してからでないと膝蓋骨がうまく乗らない場合が多いです。

そんな時は先ほど説明した手術内容に、大腿骨の変形矯正が加わります。

プレートが入るため、レントゲン写真がぎょうぎょうしくなります。

※あくまでもこれはグレード4の子への手術であり、ここまでしないといけない子は稀です。

グレード3までの場合、術後は一泊入院して早ければ翌日には退院となります🏠

退院後は切った骨がくっつく(癒合する)まで、ご自宅にてケージの中で安静にしていただきます。

骨の癒合後に、運動制限は解除になります。

以上が手術の概要です。

ただ、いくら写真を見ても、いざ手術!となると不安は尽きないと思いますし、脱臼の進行程度や年齢により手術内容は変わります。

もちろん手術はせずに経過を見られる場合もあります。

まずは一度診察させていただいた上、おうちの子にあった治療計画を詳しくご相談させて下さい👨‍⚕️

院長 寺前

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